OFFLINE

シルエットに目をむける

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私たちが日常的に使っている「言葉」や「文字」。造形として眺めてみると、そこには曲線と、余白があります。OFFLINEと名付けたピンブローチは、日本固有の文字である平仮名のシルエットに惹かれて生まれたシリーズです。読むための記号ではなく、ひとつの形として捉え直すことで、新しいリズムが立ち上がりました。

名もなき余白

いろはにほへと」と平仮名を綴るとき、線と線のあいだに必然的に生まれるスペース。OFFLINEは、文字そのものというより、その周辺にある余白を切り出したものです。パズルのように重なり合う真鍮のフォルムに、平仮名のやわらかな曲線と、ときおり現れる直線が交差します。意味から少し離れた断片が、抽象として胸元に残ります。

手仕事と、飴色

一枚の真鍮板から、すべての工程を手仕事で仕上げています。裏面のピンの配置もそれぞれ異なる構成になっています。真鍮は時間とともに空気に触れ、ゆっくりと深い飴色へと変化していきます。文字が時代を越えて受け継がれていくように、このブローチもまた、身につける人の時間とともに表情を深めていきます。

線の呼吸

普段は見落としてしまうような「文字の隙間」に光を当てること。それは、効率や合理性の外側にある小さな事象を、丁寧に掬い上げることでもあります。デジタルな繋がりから少し離れ、素材の質感や手触りに意識を向ける。OFFLINEという小さなピンブローチが、日常の景色に新しい余白をつくれたらと思います。