Inwater

澄みとくぐもりが描く、水の記憶

Inwater

柔らかな水のゆらぎに着想を得た、INWATER シリーズ。水は静かな流れの中で澄み、ときにわずかに濁りながら、形を定めることなく移ろっていきます。その様相からインスピレーションを得た淡いブルーのグラデーションは、澄んだ層と、くぐもりを含んだ層が重なり合うことで、泡肌のような表情をたたえています。流れの中で生じる揺らぎや、光のとどまりを重ね、水の深さや流れを、素材の中ににじませています。

失透という現象 Devitrification

INWATER シリーズは、ガラスの特性をあらためて見つめ直すことから始まりました。
透明であることを前提としてきた素材に対し、澄みとくぐもりのあいだに現れる移ろいを、ひとつの表情として留めたいと考えています。長い実験の末に辿り着いたのが、「失透(デビトリフィケーション)」という現象です。ガラスの世界の文脈において、失透は長く避けられてきた現象です。しかし、透明と不透明の境界に生じるそのくぐもりの中に、私たちは別の佇まいを見出しました。水の中で光がとどまり、かたちを定めないまま揺らいでいく、あの一瞬に近いもの。透明な層の奥に、霧のような層が重なる。光は通り抜けるのではなく、内部に留まり、わずかに滲みながら広がっていきます。とどまることなく変わり続ける、水の様相。その一瞬を、掬い上げるように。INWATERシリーズ は、一つとして同じかたちのない、それぞれのリズムを内包しています。