About

Gleichenia(グレイキニア)について

ふたつの視点、ひとつのかたち

イギリスで彫刻を学んだ池ヶ谷香奈子と、空間デザインを学んだ池ヶ谷侑による、東京を拠点に活動するコンテンポラリージュエリーの作家ユニットです。

羊歯(シダ)のウラジロを意味する「Gleichenia」は、古い歴史をもつ植物のひとつ。対になった葉のかたちを、アートとデザインというふたつの視点が重なるイメージとして捉えています。

葉からはじけた胞子が、新たに舞い降りた地で、それぞれの生命をゆっくりと育むように。出自や年齢・性別にとらわれず、自分らしくあることを大切にする生き方に寄り添う表現を目指し、名付けました。

つくることについて

かたちは、素材そのものの構造と、そこに起こる変化のプロセスから生まれます。

ガラスモチーフの制作には、パート・ド・ヴェールという技法を用いています。細かく砕いたガラスに顔料を混ぜて型に詰め、1000度近い炉でゆっくりと溶かしたあと、カットと研磨を重ねて仕上げます。この技法では鋳型を一度しか使えないため、焼き上がるたびに異なる模様や質感が生まれ、同じものはふたつとありません。炉の中で熱を受けるたびにみせる表情に、日々私たちは驚きと喜びをもらっています。

シルバーも、型で流し込むのではなく、ひとつひとつ手で切り出し、やすりをかけて整えます。波打つ輪郭も、縁に沿って刻まれた細かな粒も、工具と手が直接対話しながら生まれるかたちです。ガラスを留める際には、ガラスの形に合わせた銀の枠を手で曲げ、縁を少しずつ内側に倒しながらガラスを包み込んでいきます。

人類が金属を手で扱い始めた遠い時間に思いを馳せながら、道具と手仕事との関係をGleicheniaは大切にしています。

ジュエリーとオブジェ

身につけるジュエリー、空間に光を添えるオブジェ。

Gleicheniaの作品は、一度手にとった人が長く持ち続けることを想定してつくられています。偶然から生まれたテクスチャや質感をできる限り生かし、時間とともに暮らしのなかに馴染んでいきます。

身に纏うこと、触れること、空間のなかで寄り添うこと。そのひとつひとつの体験が、自分らしい時間となるように。

二人について

2020年に東京にて活動を開始したGleicheniaは、池ヶ谷香奈子と池ヶ谷侑の二人によって、構想からデザイン、制作にいたるすべてのプロセスを手作業で行っています。

香奈子は彫刻を学んだ背景から、素材の内側に潜むかたち—歪み、しわ、不規則性—に引き寄せられます。不完全なものの中にこそ、最もユニークなキャラクターが宿る。そう感じながら制作しています。

侑は空間デザインを学んだ背景から、ジュエリーが人の日常の中でどのように存在するか、身体や空間との関係を考えます。アイデアを技術的な実現可能性へと翻訳し、制作のエンジニアリングを担います。

制作は、香奈子のドローイングやコラージュから始まります。侑がそれを技術的なかたちへと移し、二人でそれを見つめながら議論を重ねます。どちらも最初に提案しなかった第三の選択肢—私たちはそれをプランCと呼んでいます—にたどり着くことが、よくあります。

素材が変化していく過程と、それが光や手や空間とどう関係するか。その問いとともに、さまざまな作品を発表し続けています。

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