失透について
失透(devitrification) | ガラスが透明を手放す。
ある時、炉から取り出したガラスが、白く曇っていた。
透明であるはずのものが、そうでなかった。最初、それは失敗でした。光がまっすぐ通り抜けるのではなく、内部でゆっくりと散らばる。乳白色の霧が内側に浮かんでいるような、静かな奥行きがある。
私たちは、その見たことのない表情に惹かれ、Gleichenia独自のテクスチャとして確立するため、幾度にわたる実験を重ねました。ガラスは透明であるべきという考えから離れたことは、すごく大切な出来事でした。
ガラスがもうひとつの姿を見せてくれる
失透(しっとう / devitrification)—ガラスが加熱・冷却の過程で結晶を生じ、透明性を失う現象。ガラス産業では長らく避けるべき「欠陥」とされてきました。Gleicheniaにとって、その特徴との出会いはINWATERコレクション制作の出発点になりました。
焼成中の熱の対流が、ガラスの密度を不均一にし、歪みが生まれることに着目し、強度はそのままにその性質を生かせる方法を探しました。炉の温度、体積、時間。条件をほんの少しずつ変えながら。まったく同じものにはならない。開けてみるまで、わからない。
泡肌と、水の中の光
うっすらと網目のような結晶模様が走るものと、微細な気泡が水面に波打つ泡肌のように細やかに重なるもの。ひとつひとつ異なる表情が生まれました。
透明と不透明のコントラストが重なり合うことでうまれる、ほのかなライトブルーのグラデーション。まるで水の中のような静かなゆらめき。私たちは、このテクスチャをINWATERと名付けました。